YouTubeをビジネスに活かすというと、「広告収益」と「企業案件」といったいわゆるユーチューバーの収益モデルをイメージする人が多いかと思います。
しかし、そのコンテンツ力は収益化をするツールとしてだけ利用するのはもったいないくらいの絶大な力だと言えます。
商品やサービスを売る為の集客ツールとしての役割としても、十分に機能すると考えられるでしょう。
2022年以降のビジネスにおいては、企業や個人問わず「一企業(一個人)につき1チャンネル」が当たり前となっていく時代になる可能性が高いです。
この記事では、歯科の院長先生向けに「YouTube集客で絶対に押さえておきたい7つのポイントとメリット・デメリット」について解説していきたいと思います。
YouTube集客のポイント
時代の先を読み成功しようと考えている人たちは、いち早くこの「YouTube集客」という方法に目を付け、実践しています。
「詳しく知りたい方は概要欄の方からどうぞ」
というように視聴者を上手に誘導していくことで、自社(もしくは「自分」)のサービスや商品を販売していくことが可能となります。
しかし、「たとえ10,000回再生されたとしても、そのうち概要欄からサービスや商品の詳細ページに飛ぶ人なんてほとんどいないんじゃない?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
確かに、10,000回以上再生された動画であっても、1回も概要欄からクリックしてくれない動画も多数存在します。
ただ、それは、YouTube集客のポイントを理解せずに、闇雲に動画を作ってしまっているからに他なりません。
以下に挙げる7つのポイントを意識して動画制作を実践すれば、高い確率でYouTubeが集客ツールとして機能するようになるため、順を追って解説していきます。
①届けたいターゲットを明確にする
まず、YouTubeの動画を制作する際、その動画の見栄えばかり気にして「どのような人に見てもらいたいか」「どのような人に届けたい情報なのか」を二の次にしてしまう人が多かったりします。
実際にYouTube集客を行う際は、「届けたいターゲットを明確にする」ということが何より重要です。
その為に必要となるのが、「ペルソナの設定」と「ベネフィットの設定」です。
・ペルソナ
ペルソナとは、ターゲットの人物像を明確にイメージするということです。
例えば、40代~50台歯周病の悩みを持たれている患者さんを増やしたいのであれば、「歯周病の原因は対策」や「日常的に歯周病で困っていそうな心理状況」など具体的なターゲットを思い浮かべるのです。
こうすることで、そのペルソナ設定をした人を想像しながら動画を作れるので、伝わり方が全く違ってくるはずです。
また、年齢や性別だけでなく、住んでいる場所や職種といったように細かくペルソナを設定するだけで、広く伝わらせるわけではなく、少人数でもとことん深く伝えられるようになります。
・ベネフィット
ベネフィットとは、「得られた情報などから実現できる未来」のことです。
「この商品は手軽に使用できて高い効果が得られるので、忙しいあなたでもほうれい線を薄くすることができるはずです」
このように、商品を使用することで実現できる未来が明確になっていることで一気に興味や関心度が高まるわけです。
②1動画につき、1テーマを話す
2021年の後半頃~2022年にかけて、一気に「ショート動画」が流行し始めました。
それまでは「10分以上の長い動画」が主流となっていました。
その影響から、1つの動画内で1テーマではなく、2~3つのテーマを織り交ぜてしまう人も多かったりします。
しかし、これでは何を伝えたいかが伝わりにくく、集客に結び付ける力も弱まってしまいます。
また、長い動画は余程のことがない限り、全て見られないため、動画は端的に結論を述べるといいでしょう。
コツとしては、動画を制作する際は、必ず「1動画につき1テーマ」にするようにしましょう。
③タイトルにSEOを意識する
YouTubeのタイトルは、かなり奥が深かったりします。
なんとなくつけたタイトルと、考え抜かれたタイトルとでは、同じ動画であっても視聴回数に大きな差が出るとも言われています。
例えば「タイトルの長さ」です。
YouTubeでは、最大60文字のタイトルが付けられますが、Google検索では32文字が推奨されています。
また、タイトルの20文字程度が上段に表示され、それ以降のタイトルは2段目(下段)に表示されることからも、いかに先頭にSEO効果のあるキーワードを配置するのかも重要となります。
そして、「【神回】、【必見】」というように、目につくカッコを使用して視覚的にも目立たせるような工夫も重要です。
④説明欄(概要欄)をしっかり書く(特に上から3行が一番見られる)
概要欄は、実際に興味を持ってくれたユーザーを自社のサービスや商品ページに誘導するために非常に重要となる部分です。
ポイントは、「上から3行にインパクトのある言葉を盛り込むということ」です。
「もっと見る」という部分を押して初めて概要欄のすべてが表示されるので、いかにこの3行によって「もっと見る」をクリックさせるかが大事となってくるわけです。
そして、「もっと見る」を押してくれたユーザーを自社のサービスや商品ページに誘導するためにも、概要欄すべてにも工夫が必要となります。
・関連性の高いキーワードを3つ程度不自然にならないように盛り込む
・タイムスタンプを利用する
・URLに説明文を付け加える
これらのポイントを意識しながら、短すぎず長すぎない見やすい概要欄に仕上げましょう。
⑤クリック率を上げるためにサムネイルにこだわる
タイトルや動画内容ももちろん重要ですが、YouTubeにおいて最も大事だと言われているのが「サムネ(サムネイル)」です。
サムネの良し悪しによってその動画の視聴回数が大きく変わります。
「YouTubeはサムネで決まる」と言っても過言ではないくらいに重要であると認識しておいた方が良いでしょう。
近年では、サムネに特化した動画編集者なども存在するので、サムネだけ外注するといった戦略もおすすめです。
⑥タグを入れて関連動画に上げる
タグの存在もないがしろにしてはいけません。
その行為自体は検索上位に表示させる直接的な効果は少ないのですが、他の動画を観たユーザーの画面に同じタグ付けをしている自分の動画が「関連動画」として表示されやすくなるのです。
「それならば多くのタグを貼り付けよう」と思ってしまうかもしれませんが、それはあまりよくありません。
10個以上のタグを設定してしまうと、スパム判定されてしまう可能性が高いので、5~9個に留めておくようにしましょう。
⑦継続的に配信をする
「継続は力なり」という言葉はどんなジャンルの物事にも言えることですが、YouTubeに関しても同じです。
もはや我々の生活になくてはならないほどの巨大なコンテンツとなったYouTubeでは、多くのライバルが日々出現していきます。
しかし、多くの企業や人は、半年ほどYouTubeに力を入れて「あまり収益に結びつかないな」と判断したら、その後はフェイドアウトしていってしまいます。
ネットの世界はいつ「バズる」かわかりません。
1年間チャンネル登録者数が増えず、視聴回数も多くなかったとしても、その次に公開した動画がバズり、それがきっかけで過去の動画の視聴回数も伸び、チャンネル登録者数も急増することもあるのです。
その時、動画内容や概要欄をしっかりと作成していれば、リンクされている貴院のホームページへの誘導も成功し、集患や増患数が増加する可能性も考えられます。
そういった意味でも、最低でも4カ月~1年半は継続してYouTubeに力を入れることが重要だと言えるでしょう。
歯科におけるYouTube集客を活用するメリットはどんなもの?
YouTubeを集客のツールとして使用するメリットはいくつか存在します。
たとえば
・無料でサービスや商品のアピールが可能
・YouTubeの圧倒的な集客力を利用して上手くいけば、集患・増患に繋げることができる
・収益化だけでなく、医院のイメージUP・認知度に繋がる 等
2022年現在においては、まだまだYouTubeを集客ツールとして利用していない歯科医院さんは多いので、そういった他院よりも一歩先リードすることができるはずです。
YouTubeといえば、広告収入も得られますが、医院様に限ってはオススメしません。
何故なら、歯科の院長先生が活用するのは、自院の集患に繋げたいことが目的であって、広告収入を得てガッツリ稼ぎたいという目的ではないと考えてるからです。
YouTube集客を活用するデメリット
基本的にメリットの多いYouTube集客ですが、何点かデメリットと言えるものも存在します。
たとえば
・効果が出るまでに4カ月~1年半とある程度の時間が必要
・動画編集ソフトや撮影機材などの先行投資が必要
・動画編集ができる人材が必要
・外注する場合にはそれなりの費用が必要 など
があります。
数本の動画を公開するだけでは、チャンネルとしての魅力はあまり高くありません。
最低でも数十本の動画~100本以上を公開することで初めて結果に繋がっていくものだと、実践する前から理解しておく必要があります。
しかし、動画のクオリティにこだわると、1本の動画だけで、余裕で2日~3日掛かってしまうこともざらなので、撮影は自院で行いながら、編集に関しては、誰かに委託することがベターです。
つまり、集客ができるようになるまでは、ある程度の期間が必要だと始める前から認識しておくべきだと言えます。
これらのデメリットを理解した上でYouTubeに取り組むことができれば、いずれ集患やリピーターとしてつなげることができるはずです。
YouTube集客を学ぶのに高額塾やコンサルは必要?
YouTube集客に関しては、成功させれば大きな収益を発生させることが可能なので、その利益を得る支援をするべく、すでに多くの高額塾やコンサルが存在します。
ただ、結論から言えば、歯科の院長先生がYouTube系のコンサルや高額塾に通う必要はないと考えます。
その予算を利用するならば、この記事をしっかり見るなり、動画のクオリティを上げるために編集マンに編集を任せながら、継続的に動画をアップしていくことが集患に繋がる一番の近道となります。
この記事で挙げている「押さえておくべきポイント」を自ら1つずつしっかりと実践していけば、コンサルや塾に頼らなくても、充分、集患に繋げることが十分に可能です。
歯科医院の集患に関しては、YouTubeから行っていくというよりも
・ホームページの見映えを良くする
・ホームページ内の記事コンテンツの内容を濃くする
・リスティング広告の活用する
・Googleマイビジネスを利用してMEO対策を行う
など、こちらを優先的に行うことの方が遥かに大事です。
あくまでも、地域の患者さんを集患する目的であれば、YouTubeはホームページ内の記事の内容を「分かりやすく伝えるツール」だという位置づけであることがベターです。
院長先生が使える予算や時間、労力は勿論のこと、適切なところにお金と時間を活用することは、ビジネスで結果を出す鉄則です。
流行りの媒体ばかりに偏らないことが大切です。
歯科医院ビジネスにおいて「YouTube動画広告」は使うべきなのか?
ある程度、予算がある医院だと、「ユーチューブ動画広告」を打ち出すかどうか悩むケースもあるかと思います。
確かに多くの人の目に触れるYouTubeという媒体を利用すれば一定以上の効果を出すことはできます。
ただ、個人的には、動画広告は使わず、オーガニック(自然検索)で表示されることを目標にしていくことが重要だと考えています。
YouTubeの動画広告の場合、ターゲットを選ぶことができないという性質上、自社のサービスや商品に興味がない人にも見られることとなり、費用対効果としてはそれほど高いとは言えないからです。
歯科院長向けに物販の売上を上げる方法やチーム連携をするためにコンテンツ(DVD)や経営塾を販売していく上であれば、YouTube広告は有効です。
しかし、地域の方を集患することを目的にするならば、たとえ、視聴回数は少なくても、オーガニック流入で動画を観てくれた人を集めた方が、費用対効果は抜群に高くなる傾向があります。
作成した動画を1度YouTubeにアップロードしておけば、後は24時間365日、勝手に見込み客さんが見てくれる資産性のある営業マンになるため、計画的かつ継続的にYouTubeにストックしておくことをオススメします。
まとめ
今回は、「YouTube集客で絶対に押さえておきたい7つのポイントとメリットデメリット」について解説してきました。
①届けたいターゲットを明確にする
②1動画につき、1テーマを話す
③タイトルにSEOを意識する
④説明欄(概要欄)をしっかり書く(特に上から3行が一番見られる)
⑤クリック率を上げるためにサムネイル(画像)にこだわる
⑥タグを入れて関連動画に上げる
⑦継続的に配信をする
これら7つのポイントをしっかりと実践することで、YouTube集客は上手く可能性が高まるはずです。
これからの時代は、ホームページのみの運用ではなく、SNSやブログ、広告等、YouTubeなどの複合的に利用するメディアをミックスさせた集客法がスタンダードになっていくことでしょう。
まだまだ実際にYouTubeを集客のコンテンツとして利用している歯科医院は多くないので、2022年から始めても遅くはありません。
ぜひ実際にYouTubeも取り入れつつ、ホームページの品質を高めて、貴院の集患・増患に繋げてみてください^^