歯科医院の医療広告ガイドライン注意点・罰則・違反事例まとめ

「歯科医院で広告を出稿する場合、医療広告ガイドラインに注意する必要があるって本当?」

「違反したらどうなるの?どんな表現をしたら規制に引っかかるのだろう。」

このように考えているクリニック関係者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

医療機関が広告を出稿する際に表現規制は切っても切り離せない関係があります。

今回の記事では医療広告ガイドラインの注意点、罰則、違反事例をまとめて解説します。

医療広告を出稿する際に気になるポイントをまとめているので、出稿を考えている場合はぜひ、ご参考にしてください。

目次

医療広告ガイドラインに注意する必要がある

医療広告ガイドラインは、医療機関が出稿する広告に関して厚生労働省が掲げるルールのことです。

医療に関する消費者トラブルが増えている背景があり、平成30年5月8日に公布された医療法にて一部改正が行われました。

法律のような拘束力はありませんが、ルールに反した広告の出稿を行っている場合は、厚生労働省、または委託機関から通達が来ます。

改善される見込みがない場合は重い罰則が科せられることもあるので、医療広告を出稿する場合は注意が必要です。

出稿する場合は虚偽広告、誇大広告、優良性をアピールする広告などが規制の対象になります。

細かいルールが多いので、医療広告を出稿・運用する場合はあらかじめ把握しておくことが大切です。

限定解除についても把握する

医療広告では「歯科医師であること」「診療科名」「医院名」など、基本的な情報のみしか載せることができません。

特定の条件を満たして「限定解除」を受けることで、広告で載せられる事項の限定を解除し、より幅広い表現が可能になります。

限定解除を受ける場合は下記の条件を満たしている必要があるので、出稿する前にあらかじめ理解しておきましょう。

  1. 医療に関する適切な選択ができる情報かつ、患者自らが求めて入手できる情報を掲載する
  2. 表示される情報の内容を、患者等が容易に照会できるようにする
  3. 自由診療に通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について正確な情報を提供する
  4. 自由診療の治療などに係る主なリスク、副作用等に関する事項を正確に記載する

条件を満たして限定解除を行うことで、「自由診療の治療内容」「医療機器を用いた治療前後の写真の掲載」などの表現が可能になります。

ただ、限定解除をしても表現の幅が少し広がるだけで、医療広告ガイドラインを遵守する必要があるのは変わらないので注意しましょう。

医療広告ガイドラインに違反した場合の罰則について

医療広告ガイドラインに違反し、罰則が適用された場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

また、歯科医院としての信頼性にも悪影響が及ぶので、ルールを順守した上で運用することが大切です。

違反した場合すぐに、罰則が科されるのではなく、初めに是正指導が行われます。

是正指導が行われているにもかかわらず、改善されない場合は罰則が適用されるので注意が必要です。

自社で運用を続けていて、是正指導が行われた場合はなるべく早く対応しましょう。

医療広告ガイドラインではどのような表現が禁止されているのか?

医療広告ガイドラインでは、「虚偽」「優良性の演出」「誤認させるような写真」など様々な表現が禁止されています。

出稿・運用時に特に注意すべき事項になっており、全て理解しておくことが大切です。

ここからは禁止されている表現を5つピックアップするので、医療広告を出稿する際のご参考にしてください。

1.虚偽に当たる表現

広告内容が虚偽に当たる場合、患者に事実と異なる情報を与えてしまうことになるので、掲載ができません。

患者が適切な治療を受けられなくなったり、歯科医院としての信頼を失墜させたりすることになりかねないので、十分な注意が必要です。

例1:加工・修正した施術前後の写真の掲載

例2:「絶対に安全な治療を行います」「難しい症例でも必ず治療できます」

リスク無しの治療はないので、上記のような表現は記載できません。

例3:「当院では〇%の満足度を獲得しています(根拠、調査報告なし)」

データや研究結果の根拠なしに文言を記載してしまうと、虚偽広告に当たります。

2.優良性を演出する表現

医療機関として優良性を演出する表現の記載は、認められていません。

他の医療機関よりも優れているように比較する表現も、表現規制の1つとされています。

例1:「ホワイトニング治療において、日本一の実績を誇っています」「他院よりも早く治療を完了できます」

このように「日本一」などの文言や、他の医院と比較する表現は規制対象になります。

例2:「芸能人の〇〇さんの治療をおこなっています」

芸能人等が受診しているなど、他院よりも優良性を示すような表現も規制対象に当てはまります。

3.早急な受診をあおる表現

自分のクリニックに誘導し、早急に受診するようにあおる表現は、ルールによって禁止されています。

医療機関としての品位を損なう表現とされ、審査に落ちてしまう可能性が高いです。

例1:「ただいま期間限定のキャンペーンを実施中」「〇月まで矯正治療を50%オフで行っています」

期間限定の割引で、早急な受診をあおる表現は規制対象に当たります

例2:「こんな症状が出ている場合は症状が悪化するので、今すぐ受診してください」

特定の症状についてのリスクを過度に強調し、早期の受診をあおる表現も禁止されています。

4.費用の過度な強調に繋がる表現

費用の過度な強調を行い、安さを訴えて集患に繋げるような表現は禁止されています。

割引プランなどの提示も規制対象になっているので、お得感を出して集患できないことはあらかじめ把握しておきましょう。

例1:「医療費控除で税金が安くなります!」

税金が安くなるといった文言で、価格の安さのアピールに繋げる表現は禁止されています。

例2:「〇〇治療割引プラン」

割引プランなどを提示して、集患に繋げる表現は規制対象になります。

5.患者を誤認させるような治療前後の写真

治療後の状態や結果は患者ごとに異なるため、誤認させる治療前後の写真は掲載できません。

限定解除要件を満たしている場合は掲載できる場合もありますが、条件があるので掲載時には注意しましょう。

例1:「こんな方に当院での治療がオススメ」といった表現の下に、治療前後の写真を掲載する方法

治療後の写真の状態に必ずしもなるとは限らないため、原則、掲載ができません。

医療広告ガイドラインにおける違反事例について

歯科医院で多い違反内容としては「インプラント」「審美」などです。

いずれも自分の見た目に関わる部分となるので、違反してしまうことが多いのではないかと考えられています。

ルールに違反しているクリニックは自治体からの指導を受け、改善を行います。

ただ、厚生労働省のデータを確認すると、広告中止になったり、継続して改善を行ったりしている例も多いです。

検討会では違反を繰り返す運営者がいる背景を汲み取り、対応を強化するという意見も出ています。

今後も法令やガイドラインが改訂される可能性が高いので、医療広告を運用する場合は定期的に厚生労働省のホームページ、ニュースを確認しましょう。

トラブルなく広告を出稿するためには?

歯科医院がトラブルなく広告を出稿するためには、医療広告や表現規制への理解度を深めたり、最新の動向を把握したりする必要があります。

医療広告ガイドラインは細かい部分が多く、また、定期的にアップデートされることが多いのが特徴です。

ここからはトラブルなく広告を出稿し、運用を続ける際に必要な心構えについて解説します。

いずれも医療広告を運用する際に重要なポイントとなるので、1つずつ確認していきましょう。

1.医療広告ガイドラインや表現規制について勉強する

今回の記事でもご紹介した通り、医療広告ガイドラインはルールが細かく、1つでも見落としてしまうと規制にあたる可能性が高いです。

表現規制についてもNGな表現が多いので、1つずつ確認しておく必要があります。

詳しい情報については厚生労働省のページからも確認できるようになっています。

公的な機関が出している情報を確認し、正確な知識を身につけるように心がけましょう。

2.常に医療広告ガイドラインの動向を把握する

医療広告ガイドラインは不定期でアップデートされており、クリニック側でも都度確認しておく必要があります。

以前に無かったようなルールが追加されていたり、変更が出ていたりするので、把握せずに運用し続けるのは危険です。

実際に令和3年4月に新しい改訂が実施されていることから、直近でも変更が行われていることが分かります。

最新の動向を見逃さないためにも、ニュースや厚生労働省のサイトは常にチェックしましょう。

3.ノウハウがある代理店に任せることも手段の1つ

自分のクリニックで学習を進めて、自社で運用し続けるのが難しいと感じた場合は代理店に相談しましょう。

専門知識やノウハウがあるスタッフが広告運用を行ってくれるので、安心して任せることが可能です。

また、Web集客、広告出稿を任せることができるので、本業に集中できるのもメリットです。

自分のクリニックの状況やリソースの問題も考慮し、出稿・運用を外注するか決めましょう。

まとめ

歯科医院が広告を出稿・運用する場合、特に気を付けたい事項として医療広告ガイドラインの存在が挙げられます。

もし、違反してしまい、改善が認められない場合は重い罰則が科される上に、歯科医院としての評判にも悪影響が出てしまうでしょう。

歯科WEBでは、医療広告ガイドラインに順守しながら広告運用の支援、集患のお手伝いをしています。また、弊社でも分からないことがあれば、医療広告ガイドラインを改めて見直したり、保健所に尋ねることを行います。

そのため、表現規制に注意した上で、信頼性の高い広告運用やサポートを実施することが可能です。

歯科WEBに興味のある方は関しては、こちらで詳細を確認することができますので、良かったらご覧ください。

この記事を書いた人

起業して13年目。累計30業種以上の個人起業家の起業支援や法人のWebマーケティング実務支援を行ってきた。

得意分野はWebマーケティングを活用した集客や販促法。企画によっては、数百万~数千万円を売上を上げる。

日本代表選手や国体選手らを見ているスポーツトレーナー、某地域の助成金件数No1の社会保険労務士の事務所、地域で有名な医療法人、業界No1のメディアサイト会社などのリスティングや戦略企画案などのサポート担当。

また、小田のサポートを受けて電子書籍を出版した64名のうち62名(96.8%)の方がAmazonランキング1~15部門1位を獲得。サービスを受講した方からは「説明が分かりやすい」「対応が速くて助かる」などの声が多い。

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